No.A066
年齢 | 不明 |
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性別 | 男 |
死亡年月日 | 1945/09/07 |
剖検年月日 | 1945/09/08 |
被爆距離 | 1000 m |
被爆時地名 | 広瀬北町(広瀬国民学校) |
出典:国土地理院の空中写真(1945-1950撮影)を加工して掲載
被爆状況
中国第32038部隊に所属する軍人でした。
被爆の状況に関する記録は残っていません。
症状の経過
記録が残っていません。
当時の記録からわかること
栄養状態は軽度不良でした。全身に小さな点状出血が見られました。
胃粘膜には多数の点状出血が見られました。回腸末端部に潰瘍がありました。
左腎盂は暗赤色の血液で被われていました。右の腎臓や膀胱粘膜には小さな点状出血が見られました。
咽頭は充血しており、一部は黄色の偽膜物質で被われていました。
甲状腺は小さく、コロイドの量が少ないようにみえました。
大腿骨の骨髄は上1/3は赤色髄であり、下2/3は黄色髄でした。
病理組織標本からわかること
腎臓の尿細管、糸球体ともに大きな異常はありません。
扁桃腺は死後変化が高度であり、粘膜の壊死が強いと思われます。
まとめ
標本が残っていないため確認はできませんが、骨髄では造血細胞の減少があると思われ、全身皮膚や胃粘膜などに点状出血を認めます。感染に弱い状態を示唆する所見として、扁桃腺の壊死性変化が認められます。この骨髄の変化に加え、脾臓およびリンパ節におけるリンパ球産生の低下は、放射線の影響と思われます。
また甲状腺の萎縮も、放射線による影響と思われます。
両肺には急性うっ血水腫がみられ、回腸末端部には急性潰瘍があると思われます。
明らかな死因となりうる大きな病変は見出せません。
- 作成日
- 最終更新日
- 2022/10/24