No.A130
年齢 | 0 歳 |
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性別 | 女 |
死亡年月日 | 1945/09/20 |
剖検年月日 | 1945/09/20 |
被爆距離 | 1500 m |
被爆時地名 | 東白島 |
出典:国土地理院の空中写真(1945-1950撮影)を加工して掲載
被爆状況
妊娠6か月ごろに母親の胎内で被爆しました。
症状の経過
妊娠8か月での早産による未熟児であり、出生後1日で死亡しました。
当時の記録からわかること
身長は39.5cmでした。奇形はありませんでした。著しくやせていました。
胸膜には点状出血が散見されました。心外膜に少量の点状出血が見られました。弁に異常はありませんでした。
胃粘膜は浮腫性でした。十二指腸や小腸、大腸の粘膜はうっ血していました。胃腸管の粘膜に出血はありませんでした。
大腿骨と椎骨(背骨)には明るい赤色の骨髄が見られました。
病理組織標本からわかること
臍帯周囲はやや浮腫性でした。
まとめ
胸膜などに点状出血をみることから、出血傾向が存在した可能性が考えられます。
外表面には奇形はなく、肺と腎には胎生期の未熟性を示唆する所見のみを認めます。胎盤にみられる部分的な壊死性変化の原因はわかりません。
標本からわかるこれらの所見のみでは直接の死因を推測することはできませんが、当時は早産で生まれた未熟な新生児が生きてゆけるような状況ではなかったのでしょう。
- 作成日
- 最終更新日
- 2022/01/31