No.A110
年齢 | 3 歳 |
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性別 | 男 |
死亡年月日 | 1945/09/11 |
剖検年月日 | 1945/09/11 |
被爆距離 | 不明 |
被爆時地名 | 不明 |
出典:国土地理院の空中写真(1945-1950撮影)を加工して掲載
被爆状況
記録が残っていません
症状の経過
記録が残っていません
当時の記録からわかること
全身に点状出血が散在していました。口腔粘膜は蒼白で歯肉出血はありませんでした。
肝臓は少し腫脹しており、小葉構造ははっきりしませんでした。
胃内は空であり、粘膜に点状出血はありませんでした。小腸内には1匹の回虫がいました。大腸粘膜は灰白色で出血はありませんでした。
扁桃腺は灰白色から青色でした。喉頭はくすんだ灰白色から緑色のうっ血性粘膜でした。
左大腿骨の骨髄は赤色髄でした。
病理組織標本からわかること
腎臓は死後変化が強いものの、糸球体や尿細管に変化はないと思われます。
副腎は高度な死後変化がありますが、大きな異常はないと思われます。
まとめ
全身には出血傾向を示唆する点状出血が多数認められ、骨髄における造血細胞の減少があると思われますが、実質臓器や組織には出血は認められません。
口腔内の粘膜及び扁桃腺には変色がみられ、炎症の存在が示唆され、感染しやすい状態にあったと推測されます。こうした骨髄の変化は、放射線の影響と思われます。
その他の病変としては、両肺下葉の軽度のうっ血水腫があげられますが、直接的な死因となる重大な病変は見出せません。
- 作成日
- 最終更新日
- 2022/10/24